しぇるりんのつれづれ日記

気が向いた時に、読書、話題などについて、ちょこちょこ書いて行こうか、と思ってます。

キラキラ語が流行った大正時代

祝融子に遭う。
シュクユウウシと読んで、「火災に遭う」と言う意味だそうな。
祝融とは、中国の火の神のことで、炎帝の子孫だ、とのこと。
大曲駒村の《東京灰燼記》を読んで、初めて知った。


大正時代に書かれた本には、実にキラキラ語が多い。いわゆる、大正ロマン文学用語、というやつである。どうも、この当時は今以上に、「学のある」キラキラ語がはやったらしい。


関東大震災を見歩き、ルポルタージュのように書き連ねた本の中ですら、キラキラ語が多用されている。 その上、人名にも、あんがいキラキラネーム的な名前が多いのにはビックリ。


当時の名士の安否をつづった部分から、大正時代のキラキラネームを書き出してみよう。
もちろん、芸名や雅号ではなさそうなものを選んで…である。
男性名: 市村 光恵(博士)
     木下 淑夫(元東京鉄道局長)
     星 亨
     佐々木 慎思郎
     広津 柳浪
     古賀 三千人(議員)
     中西 六三郎(議員) (敬称略)


何とも、読みづらいお名前ばかり。現代のキラキラネームの先駆けのようである。ちなみに、関東大震災は対症12年9月1日に発生した。


ってことは、これらキラキラネームをつけたのは、明治生まれの親世代、という事になる。


何だか、21世紀に通じるようで、妙な感じだ。




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大正時代のお父さんに感動!

今、第二次世界大戦の戦記物で有名な吉村昭氏の《関東大震災》を読んでいる。

この本を読むまで知らなかったのだが、吉村氏のご両親は、関東大震災の罹災者であった、とのこと。

関東大震災が、単なる「未曾有の震災」であっただけでなく、流言飛語、火事場どろぼうなど、人災被害が甚だしかった様子を描いている。

勇ましい軍記物と違い、当時まだ生存していた震災の生き証人らの証言、被災児童の作文、被災者の証言などをつづった、迫真のルポルタージュ形式の作品は、吉村氏の作品群の中では異色と言えよう。

その中に、新吉原の芸妓となった娘の遺骨を探しに、九州から父親が上京した、という話しが出てくる。
新吉原の娼妓、芸妓、太鼓持ち、楼主など、身分の上下を問わず、逃げ込んだ吉原公園で亡くなった方が多かったという。

当時の新吉原で「お職を張っていた」女性たちのほとんどが、親や親族に売られた人たちだったはず。

過去にどんな経緯があったとしても、父親にとっては、無条件にいとしい娘だったのだろう。

大正時代のお父さんの、あつい娘想いの心に一票入れたい。